貝と対話しながら形を探す。Journey・田中吾佐人さんの工房を訪ねて

貝と対話しながら形を探す。Journey・田中吾佐人さんの工房を訪ねて

「人生は旅だって、よく言いますよね」

そう話すのは、宮古島の夜光貝を使ってジュエリーを制作するJourneyの田中吾佐人さん。ブランド名の「Journey」には、完成までの道のりを大切にする田中さんのものづくりへの思いが重なっています。

オーストラリアのシドニーで生まれ育ち、沖縄へ拠点を移した田中さん。沖縄で制作するなら、ここにある素材を使いたい。いくつかの素材を考えるなかで出会ったのが、美しい青の層を持つ夜光貝でした。

貝殻を手に取り、どこに青が現れるかを見極める。鉛筆で線を引き、糸鋸で切り出し、少しずつ磨いていく。けれど、自然の素材は思い描いた通りにはなりません。削るうちに色が変わったり、使いたかった場所に傷みが見つかったりすることもあります。

「虫食いがあったら、ここは使うなって言われている気がするんですよ。だから、貝と対話しながら削るんです」

もっと青を見せたいと思っても、削りすぎれば、その層が消えてしまうかもしれない。貝の表情を確かめながら、形を探していきます。

「自分の理想通りにはいかない。でも、それもありなんです」

田中さんが大切にしているのは、出来上がった形だけではありません。どう考え、どう迷い、どこを残すと決めたのか。その一つひとつの過程も、作品につながっています。

「A glimpse of Okinawa」は、そんな田中さんが沖縄の一瞬の風景を表現したシリーズ。

身につけると、沖縄の海が近くなる。作品の向こうには、貝が過ごしてきた時間と、田中さんが貝と向き合った時間が流れています。

 

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